どうも、まったり管理人です。
今回は映画版『ストリートファイター』を取り上げます。カプコンの看板格闘ゲームシリーズの実写映画化が、2026年についに3度目を迎えます。しかも今度はジェイソン・モモア、50セント、ロマン・レインズと、なかなか豪快なキャスティングで。
1994年版と2009年版も含めて、3作まとめて紹介します。
ストリートファイターというゲームについて
まず前提として原作ゲームを軽く。
ストリートファイターはカプコンが1987年に発売した対戦型格闘ゲームシリーズです。特に1991年発売の『ストリートファイターII』は空前の大ヒットとなり、「波動拳」「昇龍拳」「竜巻旋風脚」といった技名が日常用語になるほど社会現象を起こしました。シリーズ全体で累計2,500万本以上を売り上げ、今なお新作が出続けている超長寿シリーズです。リュウ・ケン(格闘家コンビ)、チュンリー(中国拳法の女性ファイター)、ガイル(アメリカ軍人)、バイソン将軍(悪の組織シャドルーのボス)といった個性豊かなキャラクターが揃っています。
1作目:ストリートファイター(1994年)
基本情報
- 公開:1994年(日本では1995年5月6日)
- 監督・脚本:スティーブン・E・デ・スーザ(ダイ・ハード1・2の脚本家による初監督作)
- 製作:エドワード・R・プレスマン、辻本憲三(カプコン社長)
- 上映時間:102分
- Filmarks:★2.6
製作にカプコン社長の辻本憲三が直接参加しているにもかかわらず、ゲームからの設定変更が非常に多い作品になりました。
キャスト
- ジャン=クロード・ヴァン・ダム:ガイル大佐
- ラウル・ジュリア:バイソン将軍(本作が遺作)
- ミン=ナ・ウェン:チュンリー
- カイリー・ミノーグ:キャミィ
- ウェス・ステューディ:サガット
- 沢田謙也:キャプテン・サワダ(映画オリジナルキャラクター)
ゲームの主人公コンビであるリュウ・ケンではなく、ガイル大佐が主人公というのが最大の特徴です。ダイ・ハード的な軍事アクション路線を目指した結果の判断でしょうが、ゲームファン的には「なんで?」となる部分ではあります。
またポップスターのカイリー・ミノーグがキャミィを演じていて、当時話題になりました。
あらすじ(ネタバレなし)
東南アジアの架空の国・シャドルーの独裁者バイソン将軍が、人質200人を取って連合軍に巨額の身代金を要求します。連合軍のガイル大佐が精鋭のファイターたちを率いてバイソンの要塞に乗り込んでいく、というのが大筋です。
ゲームでおなじみのキャラクターがほぼ全員登場する大盤振る舞いで、それぞれの見せ場も用意されています。B級アクション映画としてのテンションの高さは本物で、ラストシーンのある演出はゲームファンなら思わずにやりとできます。
注目ポイント:ラウル・ジュリアのバイソン
本作を語るうえで欠かせないのが、バイソン将軍を演じたラウル・ジュリアの話です。
「蜘蛛女のキス」でアカデミー賞主演男優賞を受賞した実力派俳優が、なぜB級ゲーム映画に出演したのか。理由は彼の子供たちがストリートファイターの大ファンで、「お父さんがゲームのキャラクターを演じる姿を見たい」という強い希望があったからといわれています。
当時ラウル・ジュリアは末期ガンに侵されており、撮影中も体調が優れない状況でした。しかし子どもたちのためにカメラの前に立ち続け、1994年10月にこの世を去りました。本作の日本公開(1995年)にも間に合わず、本作が彼の遺作となっています。
悪役でありながらどこかユーモラスで圧倒的な存在感を持つバイソン将軍の演技は、作品の中で頭一つ抜けていて、「バイソン将軍だけは本物だった」という評価を今でも多く見かけます。この映画を観るなら、ラウル・ジュリアの演技を見届けるつもりで観ることをおすすめします。
ゲームからの主な変更点
リュウとケンが脇役扱いで、ブランカはガイルの旧友が改造された存在、ザンギエフはバイソンの部下だが実は善人、バイソンのサイコパワーは科学的な電磁波——という設定変更が目立ちます。キャラの「名前と見た目」は揃えてくれているので、ゲームを知っていれば「あのキャラがこう動くのか」という楽しみ方はできます。
日本公開時のプチ情報
日本公開のオープニングフィルムとして、CHAGE&ASKAの「Something There」のMVが上映されました。今の感覚だと「なぜ?」という組み合わせですが、当時の邦楽タイアップ文化を感じさせるエピソードです。
評価・総評
Filmarks★2.6。ゲームの映画化としては不満の声も多いですが、全世界で約9,900万ドルを稼ぎ興行的にはヒットしています。「ゲーム映画として観るとつらい、B級映画として観ると楽しい」が現在の共通評価です。
2作目:ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー(2009年)
基本情報
- 公開:2009年2月27日(アメリカ)、2月28日(日本)
- 監督:アンジェイ・バートコウィアク(ロミオ・マスト・ダイ)
- アクション監督:ディオン・ラム(マトリックスシリーズ担当)
- 上映時間:97分
- Filmarks:★2.5
1994年版から15年後の作品です。シリーズとして直接つながっているわけではなく、チュンリーというキャラクターを主人公にした独立した映画として作られています。
キャスト
- クリスティン・クルック:チュンリー(ドラマ「ヤング・スーパーマン」出演)
- ニール・マクドノー:ベガ(悪の組織シャドルーのボス)
- マイケル・クラーク・ダンカン:バイソン(グリーンマイルでオスカー候補になった大柄俳優)
- クリス・クライン:チャーリー・ナッシュ(インターポールの刑事)
- タブー:ヴェガ(ブラック・アイド・ピーズのメンバー)
- ロビン・ショウ:ゲン
あらすじ(ネタバレなし)
幼い頃から父にカンフーを習い裕福な家庭で育ったチュンリーが、目の前で父を悪の組織に連れ去られるところから話が始まります。10年後、世界的なピアニストとして活躍するようになった彼女のもとに謎の巻物が届き、父の行方を追う旅が始まります。
インターポールの刑事やタイの女性刑事とも協力しながら、秘密結社シャドルーに立ち向かっていくアクション映画です。チュンリーがいかにして強くなったのかという、ゲームには描かれていない「チュンリーの原点」を掘り下げる内容になっています。
マトリックスのアクションスタッフが担当したアクションシーンは水準以上で、チュンリーの脚技を中心とした格闘シーンは見どころです。
評価・総評
Filmarks★2.5とシリーズ最低評価です。ゲームらしさを薄めて人間ドラマを盛り込もうとした結果、ゲームファンからは「ストリートファイターじゃない」、アクション映画ファンからは「ドラマが中途半端」と両方から厳しい目を向けられました。
ゲームを知らない人が純粋なアクション映画として観ると、そこそこ楽しめる部分はあります。チュンリーのキャラクターに元々興味があるという方には観やすい作品かもしれません。
3作目:ストリートファイター(2026年)―待望の新作リブート
基本情報
- 公開:2026年10月16日(IMAX公開)
- 監督・脚本:キタオ・サクライ(Netflixコメディ「バッド・トリップ」)
- 共同脚本:T・J・フィックスマン
- 製作:レジェンダリー・エンターテインメント+カプコン(共同製作)
- 配給:パラマウント・ピクチャーズ
- 撮影地:オーストラリア・シドニー(撮影期間:2025年8月〜11月)
- 作業タイトル:Punch
シリーズ3作目にして、完全リブート作品です。注目すべきはカプコンが直接製作に参加しているという点で、過去2作ではなかった体制です。1994年版は製作に参加してもゲームの設定を大幅に変えられてしまいましたが、今回はカプコンが共同製作として関わることで、ゲームに対するリスペクトが期待できます。
配給当初はソニー・ピクチャーズが担当予定でしたが、2024年にレジェンダリーとの契約が切れたことでパラマウントへ変更になりました。
キャスト
豪華というか、個性が濃すぎるキャストが揃いました。
| 俳優 | 役名 |
|---|---|
| アンドリュー・コジ | リュウ |
| ノア・セントネオ | ケン・マスターズ |
| カリーナ・リャン | チュンリー |
| ジェイソン・モモア | ブランカ |
| デヴィッド・ダストマルチャン | M・バイソン(バイソン将軍) |
| カーティス「50セント」ジャクソン | バルログ |
| ジョー「ロマン・レインズ」アノアイ | 豪鬼(アクマ) |
| コーディ・ローズ | ガイル |
| エリック・アンドレ | ドン・ソバージュ |
| ヴィデュット・ジャンワル | ダルシム |
| オービル・ペック | ベガ(バルログ) |
リュウ役のアンドリュー・コジは日系イギリス人俳優で、「コブラ会」への出演でも知られています。ケン役のノア・セントネオはNetflixの「To All the Boys」シリーズで人気を集めた俳優です。
そして最大の話題がジェイソン・モモア(アクアマン)のブランカ役です。ブランカはゲームでは緑色の電気を纏う謎の野生人で、モモアの体格と雰囲気はたしかにハマっている気もします。
また、WWEスーパースターのロマン・レインズが豪鬼を演じるというのもファンの間で話題になっています。プロレスラーが豪鬼というのは体格的には納得感がある一方、格闘スタイルがどう描かれるのか気になるところです。
舞台設定と概要
舞台は1993年。かつて仲間だったリュウとケンが、あることをきっかけに離れ離れになっていたところ、チュンリーに招集されてワールドウォーリアートーナメントに集結する——というのが大筋です。
トレーラーでは波動拳や豪鬼の殺意の波動が映像として確認されており、ゲームの必殺技がちゃんと映像に落とし込まれることが確定しています。1994年版では「光が少し出る」程度だった波動拳が、今回は本格的に描かれることへの期待が高まっています。
監督・キタオ・サクライという人物
監督のキタオ・サクライは日系アメリカ人で、Netflixのリアクション系コメディ「バッド・トリップ」で知られています。過去にはエリック・アンドレのショーも担当しており、今回のキャストにエリック・アンドレが入っているのもそのつながりです。
彼のスタイルは「笑いと実際の衝撃を組み合わせる」ことが得意で、ストリートファイターのようなキャラクターがばんばん出てくるカオスな素材との相性が注目されています。トレーラーで流れる「What’s Up(4 Non Blondes)」の選曲も、真剣にやりすぎない姿勢を示しているように感じます。
海外の批評家プレビューでは「ファンが作ったファン映画にハリウッドの予算がついた」という表現が使われていて、その雰囲気がトレーラーからもにじみ出ています。
3作品の比較まとめ
3作を並べると、映画化の「考え方」がそれぞれまったく違います。
1994年版は「キャラクター全員を詰め込んで軍事アクション映画として作る」方針で、ヴァン・ダムを活かすことが優先されました。2009年版は「チュンリーを主人公にシリアスな人間ドラマとして作る」方向に振り切り、ゲームらしさが薄れて中途半端な結果になりました。
2026年版は「ゲームの世界観をコメディタッチで楽しく大スペクタクルとして描く」路線に見えます。カプコンが共同製作として関与していること、必殺技の映像表現が確認されていること、オールスター感など、1994年版をより豪快にアップデートした雰囲気があります。
過去2作の反省があるとすれば「真剣にやりすぎた」ことかもしれません。カラフルなキャラクターたちが活躍するストリートファイターの世界観は、笑いを含んだ方向性の方が向いている可能性があります。
| 1994年版 | 2009年版 | 2026年版 | |
|---|---|---|---|
| 主人公 | ガイル大佐 | チュンリー | リュウ・ケン・チュンリー |
| トーン | B級アクション | シリアス | コメディ寄りアクション |
| Capcom | 参加あり | 関与なし | 共同製作 |
| Filmarks | ★2.6 | ★2.5 | 未公開 |
とまあ、ストリートファイター映画3作はこんな感じで。1994年版はラウル・ジュリアのために観る、2009年版はゲームへの入門として観る、そして2026年版は今秋楽しみに待つ——という使い方がおすすめです。ゲームのファンとしては、3度目の正直に期待したいところです。では、また。


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