ロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)とは?映画スコアの仕組みと影響力を徹底解説

映画

どうも、まったり管理人です。

映画の記事を読んでいると、「ロッテン・トマト○○%」という表記をよく見かけますよね。

管理人のブログでも頻繁に引用しているので、「そもそもどんなサイトなの?」という疑問を持った方もいるかもしれません。というわけで今回は、ロッテン・トマトについてがっつり掘り下げてみます。

仕組みはもちろん、なぜここまで影響力を持つようになったのか、批判はないのか——映画好きなら知っておいて損はない話を詰め込んでいます。


ロッテン・トマトってそもそも何?

一言で言うと、映画・ドラマのレビューをまとめて「賛成率」として数字に変換するウェブサービスです。

1998年にアメリカでスタートし、現在では映画を観るかどうか判断する際に多くの人が参考にする、業界で最も影響力のあるメタ批評サイトになっています。

サイトの名前は、昔ヨーロッパで舞台俳優に向かって観客が腐ったトマトを投げた風習から来ています。「気に入らない作品にはトマトをぶつける」——そのイメージを使って、映画の評価を「フレッシュ(良い)」か「ロッテン(腐ってる=悪い)」で表現したわけです。


ジャッキー・チェンへの愛から始まった話

ロッテン・トマトが生まれたきっかけは、少し意外なところにあります。

1998年、カリフォルニア大学バークレー校の卒業生であるセン・ドゥオンが、ジャッキー・チェンの映画ファンとして、チェンの香港映画がアメリカで公開された際のレビューを集めていたことがきっかけでした。サイトの直接のきっかけとなったのは、チェンの初のメジャーなハリウッド映画『ラッシュアワー』(1998年)で、ドゥオンは2週間でサイトをコーディングして同月中にローンチしました。

最初は純粋にジャッキー・チェンファンのためのサイト。それが気づいたら世界最大の映画批評集約サービスになっていたという、なかなかロマンのある話です。

サイトが公開初日に記録したアクセスは約100件。ドゥオンはUsenetの映画グループに投稿して広めましたが、数日後にYahoo!の「本日のサイト」に選ばれたことで数千件規模のアクセスを獲得。さらにその翌週にはUSA TodayとNetscapeに取り上げられ、それぞれ数万件単位のアクセスを呼び込みました。

そこに伝説的な映画評論家ロジャー・エバートが誌面でロッテン・トマトを称賛したことで、サイトの信頼性が一気に高まります。映画好きにとってエバートのお墨付きがいかに大きかったかは、想像に難くないでしょう。

サイトの人気が高まる中、2004年にIGNエンターテインメントが買収。2010年にはFlixsterが引き継ぎ、その後2016年にFandango(映画チケット販売大手)が買収しました。

現在はFandangoの傘下で運営されており、Fandangoの映画チケット購入ページにもスコアが直接表示される仕組みになっています。


スコアの仕組みを解説

ロッテン・トマトには主に2種類のスコアがあります。

① トマトメーター(批評家スコア)

これがメインのスコアです。

トマトメータースコアは、認定された批評家のレビューのうち「ポジティブ」と判断されたものの割合を示しています。60%以上なら「フレッシュ(赤いトマト)」、60%未満なら「ロッテン(腐ったトマト=緑色のスプラット)」と表示されます。

たとえば「ロッテン・トマト98%」なら、集まった批評家レビューの98%が「この映画を薦める」という評価だったということ。数字が高いほど批評家から支持されている作品、ということです。

重要なポイント:これは「平均点」ではない

ここがよく誤解されるところです。トマトメーターは「批評家が薦めるか薦めないか」のYes/No比率であり、「何点だったか」の平均ではありません。

たとえば批評家が「5段階で3点」と評価した場合、その評価が「フレッシュ」か「ロッテン」かはサイトのキュレーターが判断します。つまり「まあまあ良かった」という微妙な評価でも、判断次第でどちらかに振り分けられるわけです。

映画がよりうっすらと支持される「まあまあ良い」作品は高スコアになりやすく、賛否両論が激しく分かれる映画は低スコアになりやすい——という構造的な特性があります。

② ポップコーンメーター(一般ユーザースコア)

ポップコーンメーターは、一般ユーザーが映画を観た後につける評価です。ユーザーが星評価(5段階)を送り、3.5星以上の評価を「ポジティブ」として集計した割合が表示されます。こちらもポップコーンのバケツアイコンで表示され、60%以上で「フル・バケツ」(良評価)、それ未満で「こぼれたバケツ」(低評価)が表示されます。

批評家スコアとユーザースコアが大きくズレる映画も多く、そのギャップを見るのが面白かったりします。たとえば批評家には酷評されたがファンには熱狂的に愛された映画——「マトリックス リローデッド」や「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」などが典型例です。

③ 「サーティファイド・フレッシュ」認定とは

「サーティファイド・フレッシュ」は特別な認定バッジで、以下の条件を満たした映画に付与されます:トマトメーターが75%以上、かつレビュー数が80件以上(限定公開映画は40件以上)で、そのうち少なくとも5件はトップ批評家によるもの——というのが主な条件です。なお、このスコアが70%を下回ると認定を失います。

映画の予告や広告に「サーティファイド・フレッシュ」のバッジが表示されているのを見たことがある人も多いはずです。スタジオにとっては宣伝に使える「お墨付き」として非常に重要な意味を持ちます。

批評家として認定される条件

誰でも批評家として登録できるわけではありません。

2018年にロッテン・トマトはYouTuber、ポッドキャスター、個人ブロガーも含む形に基準を拡張しましたが、それ以前から、過去2年以内に継続的に映画レビューを発表していること、かつ直近1年以内に更新があることなどの活動基準が設けられています。

現在は約3,000名の認定批評家がいますが、特定の映画に対して実際にレビューを書いているのは通常その中の数百名程度だそうです。


どれくらいの影響力があるのか

映画を観るかどうかを左右するデータ

2018年の調査によると、アメリカの成人映画鑑賞者のほぼ3人に1人が映画を観る前にロッテン・トマトを参照していると回答しています。また7割の人が「スコアが25%以下なら観る気が減る」と答えており、特に25歳以下の若い層への影響が大きいとされています。

2017年の調査では、アメリカの映画鑑賞者の36%がどの映画を観るかを決める際にロッテン・トマトを確認していました。

ハリウッドスタジオが「脅威」と見なした2017年

ロッテン・トマトの影響力が最も激しく語られたのが2017年のことです。

2017年、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」「ベイウォッチ」「ザ・マミー」などの大作がそれぞれ9000万ドル・5000万ドル・4500万ドルの興収が見込まれていたにもかかわらず、実際には6260万ドル・2310万ドル・3160万ドルという大幅な下振れとなりました。これらの作品のロッテン・トマトスコアはそれぞれ30%・19%・16%で、スタジオはその低スコアが原因だと主張しました。

あるメジャースタジオのCEOがニューヨーク・タイムズ紙に「ロッテン・トマトを潰すことが自分の使命だ」と語ったほど、当時の怒りは本物でした。

20世紀フォックスは2015年に「ロッテン・トマトと口コミの力はますます強くなるだろう。ミレニアル世代とX世代の多くが映画を含めあらゆる購買前にネットで調べる習慣があり、彼らが映画観客の大多数を占めるようになるにつれ、この傾向は変わらないだろう」と結論付けた調査レポートを作成しています。

採用の判断基準にまでなった

2024年のハリウッド・リポーターの報道によれば、監督のロッテン・トマトの過去スコアがプロデューサーとのピッチ会議で取り上げられるようになっており、ある監督の代理人は「批評的評価がゲーム化されている。監督をピッチする際に最初に見られるのがロッテン・トマトのスコアで、それが採用決定に影響を与えている」と語っています。

スコアが映画監督の採用判断にまで使われているというのは、少し驚きます。


ロッテン・トマトへの批判

これだけ影響力が大きいサービスですから、当然批判もあります。

マーティン・スコセッシの怒り

最も有名な批判者の一人が、映画監督のマーティン・スコセッシです。

スコセッシはハリウッド・リポーター誌への寄稿で「ロッテン・トマトとCinemascore(映画評価機関)は、競走馬やレストランガイド、家電製品を評価するように映画を評価している。映画の名前である『ロッテン・トマト』自体が侮辱的だ。これらのサービスは本物の映画批評とは何の関係もない」と述べ、こうした評価システムが「真剣な映画作家に敵対的な空気」を生み出していると批判しました。

スコセッシの言いたいことは要するに「映画は○か×かで割り切れるものじゃない、深く考えてこそ価値がわかる傑作もある」ということです。確かにそれは一理あります。

バイナリ評価の限界

「肯定的か否定的か」という二択しかないため、「そこまで良くも悪くもない」という中間の評価が反映しにくいという構造的な問題があります。熱烈に絶賛するレビューも、「まあ良かった」程度のレビューも、同じ「フレッシュ」として1票カウントされます。

これが引き起こす歪みとして有名なのが、賛否両論の激しい問題作が低スコアになりやすく、万人受けする無難な作品が高スコアになりやすい傾向です。

ロッテン・トマトによるスコア操作疑惑

2023年には、スタジオが批評家にお金を払って好意的なレビューを投稿させていたという不正が発覚し、「Ophelia」という映画が対象となりました。

ロッテン・トマトはこれを受けて関連する映画を掲載リストから削除し「スコアの完全性を真剣に受け止めており、いかなる操作行為も容認しない」と声明を出しました。

また2017年の「ジャスティス・リーグ」公開時には、ワーナー・ブラザース(当時ロッテン・トマトの親会社)が自社映画の公開直前までスコアを非公開にしたことが批判を呼びました。

レビュー爆撃(Review Bombing)問題

特に多様なキャストを含む映画に対して、組織的に低評価を投稿する「レビュー爆撃」の問題があります。「キャプテン・マーベル」「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ザ・リングス・オブ・パワー」などが標的になりました。

これを受けてロッテン・トマトは一般ユーザーのスコアを「チケット購入が確認された人のみ」にカウントする「Verified Ratings(認証済みレーティング)」の仕組みを導入しました。


「スコアが高い=面白い」とは限らない

ここは少し補足しておきたいところです。

ロッテン・トマトのスコアはあくまでも「批評家が薦めるかどうかの比率」であって、「あなたが楽しめるかどうか」とは別の話です。

たとえば「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(2008年)はロッテン・トマトで78%の「サーティファイド・フレッシュ」を獲得していますが、シリーズファンからは「一番面白くない」と言われることが多い作品です。一方でカルト的人気を持つ「スペースボール」「コンスタンティン」などは「ロッテン」判定を受けています。

スコアは参考にしつつも「あくまで批評家の賛成率」という前提で読むのが正解です。


批評家スコアとユーザースコアのギャップを楽しむ

個人的に面白いと思っているのは、批評家スコアとユーザースコアの乖離を見ることです。

大きくズレる映画にはいくつかのパターンがあります。

批評家 >> ユーザー(批評家が絶賛、一般には賛否) アート系の映画、テーマが重い作品、非線形な構成の映画などに多いです。「マザー!」(批評家67%/ユーザー43%)などが典型例。

ユーザー >> 批評家(批評家は微妙、でもファンには大人気) 大型フランチャイズ映画、特定ファン層向けの作品に多いです。「ベノム」(批評家30%/ユーザー80%台)などが有名です。

このギャップがあるときは「批評家には届かなかったが、ファンのハートを掴んだ映画なんだな」と解釈できます。どちらが正しいとかではなく、異なる視点の参考値として読むのが賢い使い方です。


ロッテン・トマト vs IMDb vs Metacritic

映画の評価サイトはいくつかありますが、それぞれ特徴が違います。

ロッテン・トマト:批評家の「賛成率」。0か1かの二択なのでわかりやすいが、ニュアンスは失われる。

IMDb:世界最大の映画データベース。一般ユーザーが10点満点で評価した平均点。マニア層が多く参加しているため、カルト的人気作が高く出る傾向あり。

Metacritic:批評家レビューを「重み付け」してスコア化するサービス。媒体の信頼度によって評価に重みをつけるため、より洗練されているとも言われるが、スコアが低めに出やすい。

この3つを比較してみると、映画への評価の全体像がよりよく見えてきます。


まとめ:正しい使い方を知っておこう

ロッテン・トマトは便利なサービスですが、使い方を間違えると「スコアが低いから観ない」という損をすることがあります。

管理人が記事でロッテン・トマトのスコアを引用するのは、あくまでも「批評家界隈での評価の目安」として紹介しているだけであって、「そのスコアが映画の絶対的な価値を決める」とは思っていません。

結局のところ、映画は観てみないとわからないですし、自分が楽しめたかどうかが一番の正解です。スコアはあくまで「参考情報の一つ」として活用するのが、賢い使い方だと思います。


とまあ、ロッテン・トマトについてはこんな感じで。

映画記事を読む際の理解の助けになれば幸いです。では、また。

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