2026年アカデミー賞(第98回)全受賞結果まとめ|「ワン・バトル・アフター・アナザー」6冠ほか全ノミネート・受賞作を一気に解説

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どうも、まったり管理人です。

2026年3月16日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで第98回アカデミー賞授賞式が開催されました。今年の最大の話題は何といっても、ポール・トーマス・アンダーソン(以下PTA)監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』が最多6冠を達成したことです。

そして事前の下馬評では最有力候補として君臨していた『罪人たち』が、アカデミー賞史上最多となる16部門ノミネートを果たしながらも4冠にとどまるという、予想外の結果も生まれた年になりました。

今年はアカデミー賞の新設部門として「キャスティング賞」が初登場し、合計24部門という過去最多の部門数での授賞式となりました。

この記事では受賞結果を全部門まとめ、主要ノミネート作品についてもわかりやすく解説します。


  1. 第98回アカデミー賞 全受賞結果一覧
  2. 今年のアカデミー賞を理解するための「3つのポイント」
    1. ポイント① 『ワン・バトル・アフター・アナザー』が6冠で最多受賞
    2. ポイント② 16部門ノミネートの『罪人たち』は4冠にとどまる
    3. ポイント③ 複数作品が役割を分担した年
  3. 最多受賞6冠:『ワン・バトル・アフター・アナザー』
  4. 4冠:『罪人たち』(Sinners)
  5. 3冠:『フランケンシュタイン』
  6. 2冠:『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
  7. 音響賞:『F1/エフワン』
  8. 視覚効果賞:『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
  9. 国際長編映画賞:『センチメンタル・バリュー』(ノルウェー)
  10. 長編ドキュメンタリー賞:『Mr Nobody Against Putin』
  11. 各演技部門のノミネート一覧
  12. 作品賞ノミネート10作品 全解説
  13. 今年のアカデミー賞 各部門の記録と話題
  14. 授賞式の様子
  15. ノミネート全作品一覧(各部門)
    1. 作品賞ノミネート(★受賞)
    2. 監督賞ノミネート(★受賞)
    3. 脚本賞ノミネート(★受賞)
    4. 脚色賞ノミネート(★受賞)
    5. 撮影賞ノミネート(★受賞)
    6. 長編アニメーション賞ノミネート(★受賞)
    7. 歌曲賞ノミネート(★受賞)
    8. 視覚効果賞ノミネート(★受賞)
    9. 国際長編映画賞ノミネート(★受賞)
    10. メイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネート(★受賞)
  16. まとめ:第98回アカデミー賞が証明したもの

第98回アカデミー賞 全受賞結果一覧

まず受賞結果を一覧で確認しましょう。★が受賞です。

部門受賞作品・受賞者
作品賞★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
主演女優賞★ジェシー・バックリー(『ハムネット』)
主演男優賞★マイケル・B・ジョーダン(『罪人たち』)
助演女優賞★エイミー・マディガン(『WEAPONS/ウェポンズ』)
助演男優賞★ショーン・ペン(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
監督賞★ポール・トーマス・アンダーソン(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
脚本賞★『罪人たち』
脚色賞★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
キャスティング賞(新設)★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
撮影賞★『罪人たち』
美術賞★『フランケンシュタイン』
衣裳デザイン賞★『フランケンシュタイン』
メイクアップ&ヘアスタイリング賞★『フランケンシュタイン』
作曲賞★『罪人たち』
歌曲賞★”Golden”(『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』)
編集賞★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
音響賞★『F1/エフワン』
視覚効果賞★『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
長編アニメーション賞★『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
国際長編映画賞★『センチメンタル・バリュー』(ノルウェー)
長編ドキュメンタリー賞★『Mr Nobody Against Putin』
短編ドキュメンタリー賞★『All the Empty Rooms』
短編実写映画賞★『The Singers』『Two People Exchanging Saliva』
短編アニメーション賞★『The Girl Who Cried Pearls』

今年のアカデミー賞を理解するための「3つのポイント」

結果を一つひとつ掘り下げる前に、今年の授賞式の全体像を把握しておきましょう。

ポイント① 『ワン・バトル・アフター・アナザー』が6冠で最多受賞

作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞・キャスティング賞・編集賞の6冠。PTAにとっては長年の悲願だった監督賞初受賞で、これまで14回のノミネートを経ての初受賞でもありました。

ポイント② 16部門ノミネートの『罪人たち』は4冠にとどまる

アカデミー賞史上最多となる16部門ノミネートという前代未聞の記録を打ち立てながら、主要部門(作品賞・監督賞)を逃し4冠という結果は、ある意味でこの授賞式最大の「番狂わせ」とも言えます。とはいえ主演男優賞・脚本賞・撮影賞・作曲賞と、創作の核となる部門での受賞は批評的評価の高さを証明するものでした。

ポイント③ 複数作品が役割を分担した年

「ワンバト」が6冠で頂点に立ちながら、「罪人たち」が4冠、「フランケンシュタイン」がクラフト系3冠、「KPOPガールズ」が2冠と、複数の作品が部門を分け合いました。一本が総なめにする年ではなく、各作品がそれぞれの強みで受賞した年です。


最多受賞6冠:『ワン・バトル・アフター・アナザー』

監督: ポール・トーマス・アンダーソン 出演: レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、テヤナ・テイラー ほか 受賞部門: 作品賞、監督賞、助演男優賞(ショーン・ペン)、脚色賞、キャスティング賞、編集賞

どんな映画? カリフォルニアを舞台に、元革命活動家のボブ(ディカプリオ)が誘拐された娘を救い出すために奔走するアクション・スリラー。原作はアメリカのポストモダン文学の旗手トマス・ピンチョンの小説『ヴァインランド』で、PTAが舞台を現代に移して脚本化しました。政治的過激主義を題材にしながら、描いているのはイデオロギーではなく「家族と人間の脆さ」という普遍的な物語です。

『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ザ・マスター』といった重厚な作品群で世界三大映画祭すべてで受賞歴を誇るPTAが、これまでの作風を大きく転換してエンターテインメント色の強いアクション大作に挑んだ意欲作として話題を集めました。Rotten Tomatoesでの批評家スコアは94%、Metacriticでは100点満点中95点という高評価を獲得しています。

注目ポイント レオナルド・ディカプリオとPTAは長年の「共演実現」が熱望されていた組み合わせ。ディカプリオは過去に『ブギーナイツ』への主演をオファーされながら断った経緯があり、念願のタッグとなりました。ショーン・ペンが演じる怪人・ロックジョー大佐が授賞式のエンディングでコナン・オブライエンにパロディされるほど強烈なキャラクターとして話題を集めました。今回ショーン・ペンは演技部門で3度目のオスカー受賞という歴史的快挙を達成しています(授賞式は欠席)。


4冠:『罪人たち』(Sinners)

監督・脚本: ライアン・クーグラー 出演: マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド、デルロイ・リンドー ほか 受賞部門: 主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン)、脚本賞、撮影賞、作曲賞(ルドウィグ・ゴランソン)

どんな映画? 1932年のアメリカ南部ミシシッピ州を舞台に、双子の兄弟スモークとスタック(マイケル・B・ジョーダンが一人二役)が故郷でジュークジョイントを開店する一夜を描いたホラー映画。禁酒法時代の黒人コミュニティを舞台に、吸血鬼の恐怖を通じてジム・クロウ法下における黒人差別の歴史的抑圧を描いた、ジャンルとメッセージを融合させた異色作です。

Rotten Tomatoes批評家スコア98%というホラー映画史上異例の評価を獲得。ホラー映画のCinemaScoreでは、『エイリアン2』(1986年)以来初となるA評価を記録。オリジナル映画(続編・脚色ではない作品)としての全米オープニング成績は過去10年間で最高記録を打ち立てました。今回の16部門ノミネートはアカデミー賞史上最多記録です。

注目ポイント 主演男優賞を受賞したマイケル・B・ジョーダンは、双子という一人二役で全く異なる人格を演じ分けた演技が高く評価されました。撮影賞を受賞したオータム・デュラルド・アーカポーは撮影賞史上初の女性受賞者という歴史的快挙を達成しています。また作曲賞を受賞したルドウィグ・ゴランソンは「ブラックパンサー」チームの一員として本作に参加しており、南部ブルース音楽と現代的なスコアを融合させた音楽設計も高く評価されました。


3冠:『フランケンシュタイン』

監督・脚本: ギレルモ・デル・トロ 出演: オスカー・アイザック、ジェイコブ・エロルディ、ミア・ゴス、クリストフ・ワルツ ほか 受賞部門: 美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞

どんな映画? 『シェイプ・オブ・ウォーター』『パンズ・ラビリンス』で知られるメキシコの鬼才ギレルモ・デル・トロが、長年の悲願だったメアリー・シェリーの古典「フランケンシュタイン」の映画化をついに実現させた作品です。Netflixで独占配信されています。

欲望に駆られた科学者ヴィクター・フランケンシュタインが新たな生命を創造しようとした果てに生まれた「怪物」を通じて、「人間とは何か」「真のモンスターとは何か」を問いかけます。デル・トロのゴシック美学が全開となったビジュアルが大きな話題を呼んでいます。

作品賞を含む9部門にノミネートされましたが、受賞はクラフト(技術・美術)3部門に集中しました。今回の日本のメイクアップチームがノミネートされた「国宝」と同じ部門で激戦を制した作品です。


2冠:『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』

受賞部門: 長編アニメーション賞、歌曲賞(”Golden”)

どんな映画? K-POPアイドルグループがデーモン(悪魔)を狩るハンターでもあるという設定のNetflixオリジナルアニメ映画。ゴールデングローブ賞でも長編アニメーション賞と歌曲賞をW受賞し、第53回アニー賞ではノミネート全10部門で受賞という驚異的な記録を樹立していた作品です。グラミー賞でも主題歌『Golden』が最優秀映像作品楽曲賞を受賞しており、あらゆる賞レースを席巻しました。

歌曲賞では、EJAE、Audrey Nuna、Rei Amiの3人がオスカーのステージで実際に『Golden』を披露。アカデミー賞の授賞式でもK-POPのエネルギーが炸裂する場面となりました。『ズートピア2』などが対抗馬として並んでいた長編アニメーション賞でも問題なく受賞し、アニメーション×K-POPという新しいエンタメの形が世界的に支持されていることを証明した結果となりました。


音響賞:『F1/エフワン』

受賞部門: 音響賞

どんな映画? ブラッド・ピット主演、『トップガン マーヴェリック』の制作チームが再集結したF1レースの超大作。実際のグランプリ開催中の本物のサーキットで撮影を敢行し、F1の全面協力を得て作られました。現役F1ドライバーのルイス・ハミルトンもプロデューサーとして参加するという本格派で、作品賞を含む4部門にノミネートされていました。音響の臨場感はIMAX・大画面向けの映画として圧倒的な評価を受けており、音響賞は順当な結果と言えます。


視覚効果賞:『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

受賞部門: 視覚効果賞

どんな映画? ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」シリーズ第3作。前2作に続いてパンドラを舞台にした壮大なアドベンチャーで、視覚的なクオリティではシリーズ集大成とも言うべき圧倒的な映像を実現しています。全世界の興行収入ではノミネート作品中最大規模であり、視覚効果賞は今年最も順当な結果のひとつと言えるでしょう。


国際長編映画賞:『センチメンタル・バリュー』(ノルウェー)

受賞部門: 国際長編映画賞

どんな映画? ノルウェーの名匠ヨアキム・トリアー監督作。作品賞・監督賞・助演男優賞(ステラン・スカルスガルド)などを含む9部門でノミネートされた、今年のアカデミー賞でもっとも注目を集めた非英語映画です。二人の女性(エル・ファニング、レナーテ・レインスヴェ)の関係を軸にした繊細な人間ドラマで、助演男優賞にノミネートされたステラン・スカルスガルドは「非英語映画でのノミネートとして同部門史上初」という歴史的記録を達成しました。


長編ドキュメンタリー賞:『Mr Nobody Against Putin』

受賞部門: 長編ドキュメンタリー賞

今年の長編ドキュメンタリー賞は、ロシアの政治状況に直接向き合った本作が受賞しました。プーチン政権への批判的なドキュメンタリーがアカデミー賞で注目を集めるという事実そのものが、現在の国際情勢を映すものとなっています。


各演技部門のノミネート一覧

主演男優賞

  • ★マイケル・B・ジョーダン(『罪人たち』)
  • レオナルド・ディカプリオ(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
  • ティモシー・シャラメ(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』)
  • イーサン・ホーク(『Blue Moon』)
  • ワグネル・モウラ(『シークレット・エージェント』)

主演女優賞

  • ★ジェシー・バックリー(『ハムネット』)
  • エマ・ストーン(『ブゴニア』)
  • レナーテ・レインスヴェ(『センチメンタル・バリュー』)
  • ローズ・バーン(『If I Had Legs I’d Kick You』)
  • ケイト・ハドソン(『Song Sung Blue』)

助演男優賞

  • ★ショーン・ペン(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
  • ベニチオ・デル・トロ(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
  • ジェイコブ・エロルディ(『フランケンシュタイン』)
  • デルロイ・リンドー(『罪人たち』)
  • ステラン・スカルスガルド(『センチメンタル・バリュー』)

助演女優賞

  • ★エイミー・マディガン(『WEAPONS/ウェポンズ』)
  • ウンミ・モサク(『罪人たち』)
  • テヤナ・テイラー(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
  • エル・ファニング(『センチメンタル・バリュー』)
  • インガ・イブスドッテル・リッレオース(『センチメンタル・バリュー』)

作品賞ノミネート10作品 全解説

今年の作品賞にノミネートされたのは以下の10作品です。受賞・未受賞を問わず、各作品の概要を把握しておきましょう。

①『ワン・バトル・アフター・アナザー』★作品賞受賞 前述の通り、PTAがトマス・ピンチョン原作を現代に翻案したアクション・スリラー。今年の最多受賞作です。

②『罪人たち』 16部門ノミネートという史上最多の記録を打ち立てながら作品賞を逃した、今年もっとも評価の高いオリジナル映画。ヴァンパイアホラーと黒人文化史の融合という独創的な作品です。

③『ハムネット』 クロエ・ジャオ監督が北アイルランドの作家マギー・オファーレルの原作小説を映画化。16世紀のイングランドを舞台に、シェイクスピアの戯曲「ハムレット」誕生の背景にあった息子の死という悲劇を描きます。ジェシー・バックリーとポール・メスカルの共演が話題を集め、ジェシー・バックリーが主演女優賞を受賞した作品です。スティーブン・スピルバーグとサム・メンデスが製作に参加しています。

④『フランケンシュタイン』 ギレルモ・デル・トロによるNetflixオリジナル。3冠を獲得したクラフト系の強さが光りました。

⑤『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 ジョシュ・サフディが単独で監督を務めたスポーツコメディ。1950年代ニューヨークを舞台に、実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得た物語で、ティモシー・シャラメが主演を務めます。サフディ作品らしい独自のテンポ感と熱量が批評家から高く評価されました。9部門ノミネートと上位グループの一角を占めました。

⑥『ブゴニア』 ヨルゴス・ランティモス監督(『哀れなるものたち』『女王陛下のお気に入り』)の最新作。エマ・ストーンが主演を務め、主演女優賞にノミネートされました。ランティモス特有の不条理でシュールな世界観が展開される作品です。

⑦『シークレット・エージェント』 ブラジル代表として国際長編映画賞にノミネートされた作品が、作品賞にも選出されました。ワグネル・モウラが主演を務め、主演男優賞にもノミネートされています。政治スリラーとして世界的に高い評価を得た作品です。

⑧『センチメンタル・バリュー』 ヨアキム・トリアー監督のノルウェー映画で、国際長編映画賞も受賞しました。繊細な人間ドラマとして幅広い層に支持された作品です。

⑨『トレイン・ドリームズ』 Netflixオリジナルで、作品賞・脚色賞・撮影賞・歌曲賞の4部門にノミネートされました。詩的で静謐な映像美を持つ作品として、賞レースで存在感を示しました。

⑩『F1/エフワン』 全世界興収6億3,000万ドルというノミネート作品中最大の興行収入を誇る商業大作。音響賞を受賞しました。


今年のアカデミー賞 各部門の記録と話題

  • PTAの初オスカー: ポール・トーマス・アンダーソンはこれまで14回のノミネートで初受賞となりました。世界三大映画祭(ベルリン・カンヌ・ヴェネツィア)すべてで受賞経験を持つ監督がアカデミー賞でようやく監督賞を受賞するという、映画史に刻まれる出来事です。
  • ショーン・ペンが3度目のオスカー: 助演男優賞を受賞したショーン・ペンは演技部門3度目のオスカーを獲得。これは男優として歴史上4人目という快挙です。
  • 撮影賞初の女性受賞者: 『罪人たち』でオータム・デュラルド・アーカポーが撮影賞を受賞したことで、同部門史上初の女性受賞者が誕生しました。
  • キャスティング賞の新設: 今年から「キャスティング賞」が新設され、どの俳優を起用するかという判断の重要性が正式に賞として認められました。初受賞は『ワン・バトル・アフター・アナザー』。
  • ジェシー・バックリーがアイルランド人初の主演女優賞: アイルランド出身のバックリーの受賞は、同部門を受賞した初のアイルランド人女優という歴史的記録でもあります。
  • 日本映画『国宝』のノミネート: メイクアップ&ヘアスタイリング賞に正式ノミネートされた日本映画「国宝」。豊川恭子さん、日比野尚美さん、西松忠さんの3名が候補に選ばれましたが、受賞は『フランケンシュタイン』に持っていかれました。歌舞伎の女形メイク・かつら・化粧設計がアカデミーの目に届いたというノミネートの事実そのものは、日本映画界にとって大きな意義があります。国際長編映画賞でもショートリスト入りを果たしました。

授賞式の様子

司会を務めたのはコナン・オブライエン。冒頭では『WEAPONS/ウェポンズ』でエイミー・マディガンが演じたグラディス役に扮し、ノミネート各作品の世界観を走り抜けるオープニング映像からスタートしました。エンディングでは『ワン・バトル・アフター・アナザー』のショーン・ペンが演じたロックジョー大佐のクライマックスシーンをパロディした映像で締めくくられ、今年の授賞式を象徴する構成となりました。

授賞式の視聴者数は過去4年間で最低を記録したと報じられていますが、SNSでは好調な反応が見られ、2029年からはYouTubeでも配信される予定が発表されています。

マイケル・B・ジョーダンは授賞式後そのままオスカー像を持ってハンバーガーショップに行ったことがSNSで話題になり、「この自然体なスタンスが好き」と好評を集めました。


ノミネート全作品一覧(各部門)

作品賞ノミネート(★受賞)

  • ★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
  • 『ブゴニア』
  • 『F1/エフワン』
  • 『フランケンシュタイン』
  • 『ハムネット』
  • 『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
  • 『シークレット・エージェント』
  • 『センチメンタル・バリュー』
  • 『罪人たち』
  • 『トレイン・ドリームズ』

監督賞ノミネート(★受賞)

  • ★ポール・トーマス・アンダーソン(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)
  • クロエ・ジャオ(『ハムネット』)
  • ジョシュ・サフディ(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』)
  • ヨアキム・トリアー(『センチメンタル・バリュー』)
  • ライアン・クーグラー(『罪人たち』)

脚本賞ノミネート(★受賞)

  • ★『罪人たち』
  • 『Blue Moon』
  • 『シンプル・アクシデント/偶然』
  • 『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
  • 『センチメンタル・バリュー』

脚色賞ノミネート(★受賞)

  • ★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
  • 『ブゴニア』
  • 『フランケンシュタイン』
  • 『ハムネット』
  • 『トレイン・ドリームズ』

撮影賞ノミネート(★受賞)

  • ★『罪人たち』(オータム・デュラルド・アーカポー)
  • 『フランケンシュタイン』
  • 『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
  • 『ワン・バトル・アフター・アナザー』
  • 『トレイン・ドリームズ』

長編アニメーション賞ノミネート(★受賞)

  • ★『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
  • 『Arco』
  • 『星つなぎのエリオ』
  • 『アメリと雨の物語』
  • 『ズートピア2』

歌曲賞ノミネート(★受賞)

  • ★”Golden”(『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』)
  • “Dear Me”(『Diane Warren: Relentless』)
  • “I Lied to You”(『罪人たち』)
  • “Sweet Dreams of Joy”(『Viva Verdi』)
  • “Train Dreams”(『トレイン・ドリームズ』)

視覚効果賞ノミネート(★受賞)

  • ★『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
  • 『F1/エフワン』
  • 『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
  • 『ロスト・バス』
  • 『罪人たち』

国際長編映画賞ノミネート(★受賞)

  • ★『センチメンタル・バリュー』(ノルウェー)
  • 『シークレット・エージェント』(ブラジル)
  • 『シンプル・アクシデント/偶然』(フランス)
  • 『Sirāt』
  • 『ヒンド・ラジャブの声』

メイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネート(★受賞)

  • ★『フランケンシュタイン』
  • 『国宝』(日本)
  • 『罪人たち』
  • 『スマッシング・マシーン』
  • 『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』

まとめ:第98回アカデミー賞が証明したもの

今年のアカデミー賞が示したのは、「大作の総なめより、複数の傑作が役割を分担する年の豊かさ」でした。

『ワン・バトル・アフター・アナザー』が作品賞・監督賞を制し、PTAという映画史に燦然と輝く巨匠がついにオスカーの頂点に立ちました。一方で、史上最多16ノミネートの『罪人たち』が作品賞を逃したことで、「数が多ければ勝つわけではない」というアカデミー賞の複雑さも改めて示されました。それでも主演男優賞・脚本賞・撮影賞・作曲賞という創作の核を押さえたクーグラーとジョーダンの仕事は、歴史に残る評価を受けたと言えます。

撮影賞史上初の女性受賞者、PTAの初オスカー、ショーン・ペンの3度目のオスカー、K-POPアニメのオスカー2冠、日本映画「国宝」のノミネート——今年もさまざまな「歴史」が刻まれた授賞式でした。

各受賞作品がまだ未鑑賞であれば、この機会にぜひ劇場や配信でチェックしてみてください。

とまあ、第98回アカデミー賞はこんな感じで。では、また。

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